アイドルのライブのライブ以外の感想

 昨日は推しているアイドルのライブのために日帰り上京した。復帰直後なのでもともと入る予定はなかったのだが、仕事が連休になったので急遽チケットを探して高速バスに飛び乗った。

 チケットを譲ってくれた人は、現場でかしましくしているオタクコミュニティには所属せず、一人でアイドルを追いかけている私の「お仲間」だった。今回は知り合いと連番で入る予定だったらしいが、ろくに説明もないままドタキャンされたのだという。静かに怒っていた。

 今回は席があまり良くなかったため(おそらくそれが一因となってドタキャンされたのではないかと思う)、連番者を含む両隣の男性は全力で振りコピ&推しジャンをやっていた。それに影響されて、というか半ば捨て鉢になって、普段は地蔵寄りの私も思い切り体を動かしてみた。アイドルを凝視するよりも実はこちらのほうが楽しいのかもしれない。地下アイドルの現場で楽曲と無関係のMIXを打つオタクの気持ちが初めて分かった。それと同時に、今年の春から続く今ツアーに3回参加した私が、アイドルのライブにあまり特別な感情を抱けなくなっていることにも気付いてしまった。

  認知も馴れ合いも望んでいない私にとって、この状況は危ない。仕事が辛すぎて、アイドルのライブに月1で通うことで呼吸を整えていたのが、アイドルを息長く応援するという目標においてはかえって裏目に出た。そうでなくとも、オタクが群れて声を大きくしているのを見ると疎外感を感じてなんとなく嫌な気持ちになるし、これからはライブに入る頻度を減らしたほうが良いような気がしてきた。

 とはいえ、アイドル自体は素晴らしかった。特に最後か楽曲はもともと思い入れが強いのもあって、聴きながら涙ぐんだ。私は彼女らの歌に心打たれ、生で歌を聴くためにオタクをやっている。その初心を決して忘れてはならないと胸に誓った。

 終演後、チケットを譲ってくれた人とは「またどこかの現場でお会いしましょう」と言って別れたが、今後お会いできたとしても私の性格からして話しかけられそうにないのが悲しい。

 駅までの道では、オタクグループがアフターに行く人を募ったり、居酒屋に電話をかけたりしていた。信号待ちで「●●(人気メンバー)の握手はもう取れないっすよ、これからは▲▲(私の推し)に入れますわ、それなら取れるんで」と話していた若いオタクに堪らなくなって思わず睨みつけたが、彼は仲間たちにご高説を垂れるのに夢中で、こちらに気付きはしなかった。

 しかし、まさに身銭を削ってオタクをやっている人たちにとっては、握手券の投機を読むことで最大限の「応援」を現実のものとするのがごく当たり前で、正しいことなのかもしれない。私のほうがよっぽど真剣になれていないと思った。